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月別アーカイブ: 2025年8月

皆さんこんにちは!

総合卸サクラ、更新担当の中西です。

 

総合卸サクラのよもやま話~規格袋~

 

ゴミ袋市場には大きく「自治体指定ごみ袋」と「規格袋(透明・半透明の汎用ポリ袋)」があります。指定袋は自治体の制度に依存しますが、規格袋は業務・家庭のあらゆる現場で共通的に使える“基礎資材”。サイズや厚み、材質、入数が一定の体系で流通しているため、在庫管理・価格比較・品質安定に優れ、メーカー側も量産・標準化によるコスト最適化が可能です。


1. 規格袋の「サイズ体系」と号数の考え方

  • 号数(No.表記):No.0〜No.20など、メーカー横断でおおよそ共通認識のサイズ目安が存在します(数ミリ〜数センチの差はあり得る)。

  • 寸法表記:基本は幅 × 長さ × 厚み(mm)。サイドマチ入りの場合は「(幅+マチ×2)×長さ × 厚み」。

  • 容量感の目安:No.8前後=小物・生ごみ小分け、No.12〜15=キッチン周り、No.20クラス=大きめの廃材や衣類など。

  • 入数:店頭流通は100枚入が標準。業務用は500〜2000枚/ケースなどロットで供給。

現場運用では「収納箱やごみ箱の口径に対して“幅”で選び、重量物なら“厚み”を上げる」のが鉄則。


2. 形状バリエーション(使い道で選ぶ)

  • 平袋(三方シール):最も一般的。中身の識別・一時保管に強い。

  • ガゼット(サイドマチ)立ち上がりが出るので自立しやすく、生ごみや衣類に便利。

  • 角底・丸底/スタ―シール:漏れを抑えたい液体混じり円形の屑入れに適合。

  • ミシン目連袋・ロール巻き取り出し性と省スペースを両立。清掃カートやバックヤードで重宝。


3. 材質:LDPEとHDPE、どちらを選ぶ?

  • LDPE(低密度ポリエチレン)
    しなやかで引裂に粘り。透明度が高く、音が静か。食品・雑貨・オフィス向けに相性良。

  • HDPE(高密度ポリエチレン)
    同厚みで剛性・ピンホール耐性が高い。カサカサ音が出やすく、やや白濁。薄肉でも強いためコスト・環境面で有利。

  • ブレンド・多層
    外層HDPE/内層LLDPEなどで“薄く・強く・裂けにくく”。色材や再生材の配合は層ごとに最適化。

規格袋はHDPE系が主流。ただし音・透明性・触感が重視される売場や現場ではLDPE系を選定。


4. 厚み設計:薄肉化と強度のバランス

  • 一般域:0.010〜0.040mm(10〜40μm)に多い。

  • 軽量物:10〜15μm(紙くず・軽量プラ)。

  • 日常ごみ:15〜25μm(キッチン、オフィス)。

  • 重量・角物:25〜40μm(衣類・小型パーツ・生ごみ液混じり)。

  • ポイント厚くすれば安心だが、コストと環境負荷が上昇。突刺・引張・引裂のバランス試験で“必要十分”の最薄を狙う。


5. 成形・加工:品質は工程で作る

  • ブロー成形(インフレーション):規格袋の王道。厚みムラ・ゲル・黒点を監視し、薄肉でも均一強度に。

  • シール:三方シール/底シール/スタ―シール。熱シール強度ピンホールが命。

  • 印刷:注意書き・識別ピクト・容量。水性フレキソなど低VOC化が進む。

  • 後加工ミシン目・吊り穴・ラベル窓など、現場の使い勝手を上げる仕様が選択可能。


6. 品質基準と検査の考え方

  • 寸法・厚み厚み偏差は機能直結。ロール頭尻・周方向でサンプリング。

  • 機械特性:引張強度・伸び、ダート衝撃、突刺、ヒートシール強度。

  • 漏れ・気密水張り・振とうで底・シール部を確認。

  • 外観:ゲル・黒点・蛇行・印刷欠け。カメラ検査+抜取で流出を防ぐ。

  • 衛生・臭気:食品や医療副資材用途も兼ねる場合は臭気移行・衛生適合の確認を。


7. 表示・法規制・運用上の注意

  • 材質表示:PEマーク、再生材配合率やバイオマス度を任意表示。

  • 注意表示子どもの窒息注意火気厳禁耐荷重目安など。

  • 自治体ルール:地域により指定袋のみ収集のケースがあるため、規格袋=可とは限らない。販促では用途の誤認防止を徹底。

  • 色と透明性半透明は分別確認に有利。不透明色は機密ゴミや生活感の抑制に。


8. サステナビリティ:規格袋の“次の常識”

  • 再生材(PCR)中間層へのサンドイッチ配合で外観と強度を両立。

  • バイオマスPE:CO₂算定で優位。厚み・臭気・強度の最適点を再評価。

  • 薄肉×高強度メタロセンLLDPEやMDO-PE同等強度をより薄く

  • モノマテリアル:印刷・ラベル・チャックもPE系で統一し、将来の回収・再資源化に備える。


9. SKU設計:売れるラインナップの作り方

  • サイズ刻み:No.8/No.10/No.12/No.15/No.20…の“使い分けが直感的”なレンジを用意。

  • 厚みの段差:用途に応じて薄手・標準・厚手の3段階がわかりやすい。

  • 色展開透明・半透明・ライトグレーの3軸で大半をカバー。

  • 入数・包装:100枚入(家庭・小規模)、連袋やボックスタイプ(業務)。開口面の取り出し性がリピート率に直結。

  • 差別化低騒音LDPE版高剛性HDPE版高配合PCR版など、素材での訴求違いを作る。


10. B2B/B2C別・導入のコツ

  • B2B(清掃会社・小売バックヤード・工場)
    ごみ箱口径合わせ→②重量物の有無→③最薄合格厚みの順で選定。連袋・ロール巻きが省力化に効く。

  • B2C(家庭)
    目的別に**“薄手・標準・厚手”の用途パッケージ**を明示。半透明で中身確認臭気の心理距離を取る色設計が好評。


11. 調達・発注仕様書(ひな形)

  • 品名:規格袋 No.__(サイドマチ __mm)

  • 寸法:幅 __mm × 長さ __mm × 厚み __μm

  • 材質:HDPE/LDPE/ブレンド(PCR __%/バイオマス __%)

  • 形状:平袋/ガゼット/スタ―シール

  • 色:透明/半透明/色名(濃度指定)

  • 印刷:注意表示/ピクト/ロゴ 有・無

  • 入数:__枚/袋、__袋/ケース

  • 品質:引張・突刺・シール強度の目標値、外観基準

  • 梱包:連袋/ロール/箱、JAN・ロット表示

  • 納入:リードタイム、代替ロット可否、品質異常時の交換条件


12. よくあるトラブルと対策

  • 底抜け・ピンホール:角物混入。厚みアップよりHDPE比率↑やスタ―シールで対処。

  • 口が入りにくいマチ不足。ゴミ箱口径に対して幅(+マチ)を再計算

  • 透けすぎ顔料濃度を上げるかLDPE比率を上げてヘイズ(曇り)を確保。

  • カサカサ音LDPE配合や厚み微増で解決。

  • 在庫過多号数の統合・厚みの整理でSKUをダイエット。


規格袋は「標準仕様」こそが価値

規格袋は、サイズ・厚み・材質・包装・品質が“業界の共通言語”として整っているからこそ、調達しやすく、使い分けやすく、コストが読める
メーカーにとっては薄肉高強度×再生材での進化が次の競争力。ユーザーにとっては、口径→厚み→材質の順で選ぶだけで、最適解に素早くたどり着けます。
“いつものNo.と厚み”をチームで共有し、標準で強い現場運用を作りましょう。

 

※営業目的でのお電話・お問い合わせは業務遂行の妨げとなるためお控えください。

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総合卸サクラのよもやま話~経済的役割~

皆さんこんにちは!

総合卸サクラ、更新担当の中西です。

 

総合卸サクラのよもやま話~チャック袋~

 

かつてチャック袋は「保存用(食品・日用品)」のイメージが強い製品でした。ところが近年、生ごみ・おむつ・ペット排せつ物・介護現場の衛生廃棄など、臭気・漏れ・衛生管理が求められる用途で、再封可能=運搬と一時保管を両立できる“ゴミ袋”として存在感を増しています。本稿では、チャック袋の進化を素材・構造・製造・UX・環境の5軸で整理し、次の開発指針まで一気に見渡します。


1. 進化の3フェーズ

  1. 第1世代:汎用品流用期
     単層PE主体。食品保存袋をゴミ用途に転用。低コストだが、臭気・液漏れ・ピンホールに課題。

  2. 第2世代:専用設計期
     多層フィルム・二重シール・ダブルチャックなど“汚れ・臭い前提”の設計にシフト。介護・ペット市場で採用拡大。

  3. 第3世代:循環設計期(現在)
     モノマテリアル(PE系統一)での高機能化、再生材・バイオマスPEの活用、薄肉化×高強度を両立。使用後の資源循環やLCAを視野に。


2. 素材の進化:強度・防臭・循環のトレードオフを解く

  • PEの高度化:メタロセンLLDPEやHDPEのブレンドで突刺・引裂・ピンホール耐性を底上げ。薄肉化しても強度を確保。

  • 多層→モノマテリアル:かつては防臭目的で多層(EVOH等)も使われたが、リサイクル適性を重視し、PE系多層やMDO-PE/BOPEなど“PE統一の高機能化”が主流に。

  • 防臭・抗菌コンセプト:吸着剤(例:消臭成分の練り込み)やにおい移り抑制設計。※医療的な効能主張は避け、衛生補助レベルでの訴求が安全。

  • 環境配慮樹脂:再生材(PCR)の配合比を用途別に設定。バイオマスPEはCO₂算定で優位だが、におい遮断・強度のバランスを試験で吟味。


3. チャックの構造:確実に閉まることが“品質”

  • シングル→ダブル/トリプルトラック手探りでも閉めミスが起きにくい。臭気・液体の逆流を抑える。

  • スライダー式:片手でも確実に閉じられる介護・外出時に強い。コストとリサイクル適合(異材混入)に配慮。

  • イージーグリップ形状:指先で“段差”を感じられるチャックヘッドで高齢者にも優しい。

  • チャックの“はみ出し”対策:口元に補強帯(トップシール)を設け、開閉耐久と液漏れを両立。


4. 形状・シール技術:漏れと臭いを閉じ込める

  • 底形状

    • 三方シール:量産性が高い基本形。

    • ガゼット(底マチ/サイドマチ):立てて置ける=一時保管に有利。

    • ラウンド底R:角部からの破れを抑制。

  • 二重シール:開口部近傍や底部に二段シールを入れて、液だまり部の漏れをガード。

  • ティアノッチ+ストッパー:必要時のみ“潔く開けられる”一方で、不意の開口を防ぐストッパー設計を併用。

  • 厚み設計:内容物別にμm設定(例:生ごみ→薄、中型おむつ→中厚、ペット排せつ物→厚)を使い分け。


5. 現場UX:使う人・場面で最適解は変わる

  • 家庭:生ごみを小分け密閉→収集日まで冷凍or玄関保管。防臭×省スペースが鍵。

  • 介護:使用済みパッド・おむつを片手で素早く密封。サイズ刻みと識別色で混在を防止。

  • ペット:外出先での回収→密封→持ち帰り。厚手・防臭+スライダーが安心。

  • 職域:研究・清掃・食品工場の副資材回収。識別ラベル窓・記入欄でトレーサビリティを確保。


6. 製造プロセスのアップデート

  • フィルム成形:ブロー(3層)やキャストでMD/TDバランスを最適化。MDO(機械方向延伸)で薄肉・高強度を両立。

  • チャック取り付けインライン熱溶着で一体化。剥離やピンホールを画像検査(カメラ)で全数監視。

  • 印刷水性フレキソなど低VOC化。識別ピクト・注意書きを高コントラストで配置。

  • パッキング連袋(ミシン目)・ボックスティッシュ式など取り出しやすさを設計。


7. 品質保証(QA)と評価指標

  • 気密・漏れ:水張り・耐圧・振とうでシール強度×チャック保持を確認。

  • 突刺・引裂:骨や尖った異物を想定した耐性評価。

  • 開閉耐久:規定回数の開閉後、閉鎖性・脱落をチェック。

  • 臭気評価:官能評価+密閉後の移り香確認。

  • 外観:ゲル・ピンホール・黒点・蛇行などの外観欠陥を自動検査+抜取で管理。


8. サステナビリティ:循環前提の設計思想

  • モノマテリアル化PE系で統一し、ラミの接着層もPE系に。将来の回収スキームに備える。

  • 再生材の使い分け表層はバージン/中間層にPCRなどの“サンドイッチ構造”。

  • 薄肉化と強度:設計段階で最小必要厚みを定義し、破袋コスト(衛生・心理負担)も加味して最適点を探る。

  • LCA視点:素材のCO₂だけでなく、臭気・漏れ削減→二重袋不要→輸送効率向上という間接効果も評価。


9. 商品企画:勝てるSKUの作り方

  • サイズレンジ:S(生ごみ少量)/M(ペット)/L(おむつ)/XL(業務)を容量×開口幅で定義。

  • 機能差別化:標準(シングル)/防臭(ダブル)/高機能(トリプル+スライダー)。

  • 色・透明度半透明で中身の視認性を確保しつつ、生活空間ではライトグレーなど“匂いの心理的距離”を演出。

  • 表示:用途・廃棄区分・注意事項・開封方法をピクト化。高齢者・色覚多様性にも配慮。

  • 価格設計:1枚単価だけでなく、消臭・防漏による“二重袋削減”の価値を訴求。


10. 開発・製造チェックリスト(抜粋)

  • 目標用途(臭気レベル・想定日数)/容量/入れ口幅を定義

  • フィルム設計:PE系ブレンド/μm/MDOの有無/層構成

  • チャック:シングル/ダブル/トリプル、スライダーの要否

  • 形状:三方/ガゼット/底R、二重シール位置

  • QA項目:シール強度、気密、突刺、開閉耐久、外観

  • 環境:PCR配合率、バイオマス比率、モノマテリアル適合

  • 表示:注意・用途・識別ラベル欄、ピクト整備

  • 包装:取り出しやすさ(連袋/箱)、小売と業務の二形態


臭い・漏れ・手間を“技術”で消す

チャック袋は、単なる“保存袋の派生”ではなく、衛生的な一時保管とスマートな廃棄動線を設計するためのゴミ袋です。

  • 素材で強度と防臭、

  • 構造で密封信頼性、

  • 製造で安定品質、

  • UXで使いやすさ、

  • 環境で循環適合。

この5点を一体で磨く企業が、生活者・介護・ペット・職域の“臭い悩み”を解決し、市場のスタンダードを更新していくでしょう。次の一歩は、PEモノマテリアル×ダブルチャック×薄肉高強度をベースに、サイズ別に“ちょうどいい”機能差を設計することです。

 

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